高気圧酸素療法について

高圧酸素療法とは?

高い気圧の中で酸素を吸うと、普通より多くの酸素が血液の中に溶け込みます。この「酸素がたくさん溶け込んだ血液」が疾患部位に流れていき、「傷ついた組織」に酸素をたくさん供給します。たくさんの酸素は「傷ついた組織」を直すのに役立ちます。

 

当院で実際に治療している疾患

  • 突発性難聴

  • 一酸化炭素中毒

  • ガス壊疸

  • 網膜動脈閉塞症


高圧酸素療法の流れ

着替え 治療用タンクの中は酸素濃度が高くなりますので、燃えやすいものは持ち込めません。また火花が出る可能性がある化学繊維の服も着ることができません。高気圧酸素療法用の服に着替えていただきます。
 
治療用タンク内へ 治療用タンクの中に上向きに寝た状態で入ってもらいます。治療用タンクの中では酸素マスクをしてもらいます。
 
加 圧
15分
治療用タンクのふたを閉め、加圧を開始します。約15分かけて2気圧(通常の2倍)まで加圧していきます。加圧する際、耳に違和感を覚えることがあります。その時は、鼻をつまんで鼻をかむ(「耳抜き」といいます)ようにしてみてください。
 
加圧治療
1時間
治療用タンク内の気圧が2気圧になったら、その状態で1時間の治療を行います。患者さまは、ただ寝ているだけで結構です。
 
減 圧
15分
1時間の治療後、15分かけて1気圧に戻していきます。この時、再び耳に違和感を覚えることがあります。その際は、唾を飲み込んでみてください。
 
治療終了 1時間30分で治療は終了です。治療は1日1回で、月~金の原則として午後に行います(土日祝日はお休みです)。一般的に治療は全部で10回です。

高圧酸素療法の安全性と合併症

この治療法の安全性は非常に高く、大きな合併症がありません。ただ、ごく希に下記のような合併症を起こすことがあります。

  • 呼吸器合併症

    以前に「気胸(ききょう)」を起こしたことのある人や「結核」で肺に空洞がある人の場合は、治療により気胸や喀血(かっけつ)を発症する可能性があります。

  • 酸素中毒

    高濃度の酸素を長時間吸うと、酸素が原因で肺の働きが悪くなることがあります。当院で行っている高気圧酸素治療の条件では、発生したことはありません。

  • 中耳炎

    治療中に何回も「耳抜き」をするために、のどの奥にある「ばい菌」が耳の奥に入り、中耳炎を起こすことがあります。異常があった場合には、その旨申し出てください。診察し、適切な治療をいたします。

よくあるお問い合わせ(FAQ)